- 2020-7-5
- 飲食業の転職
今回は、フレンチ料理人のわたしが経験した飲食業界内の転職経験について書いています。
「転職したら体裁が悪くなる」「また一から仕事を覚えるのは大変だ」と思って、今の仕事に満足していないのに仕方なく続けているという方も多いのではないでしょうか。
わたしもそう思っていたし、実際に新しい職場に慣れて仕事をきちんとこなせるようになるまではとても苦労しました。
しかし転職し、自分の強みを活かせる現場に移ったことで楽しく仕事に打ち込めるようになりましたし、転職してよかったと心から思っています。
転職を考えているけれど一歩踏み出せない、という方の参考になれば幸いです。
「料理人は向いてない」という上司の言葉で転職を決意
わたしは調理の専門学校を卒業したこともあって、料理人になることに大きな夢を持ちながら就職を経験しました。
料理人というと華やかでクリエイティヴな仕事で、他人からは褒められることも多いのですが、現実は想像とはまったく逆の世界です。
結果、上司に「お前は料理人には向いてない」と言われるほど、わたしは仕事ができない人間でした。
それからは毎日「なぜ料理人に向いていないのか」「向いていないならなにをすればいいのだろう」と自問自答を繰り返してきました。
しかし、高卒ですでに人生の道を決めてきたわたしには、一般的なOLになるような学歴も知識もマナーも持ち合わせていません。嫌々ながらも今の仕事を続けるか、日雇いのバイトで食いつなぐかの選択肢しか残っていない、と絶望感を味わいました。
そこでひとまず、同じ飲食業界の中の違う職種に就き、これからのことをじっくりと考えようと思ったのです。
苦労はあったが、学ぶことは楽しい
料理人を辞めたあとは、サービススタッフとして接客の仕事をはじめました。人と接するのが苦手、上手に会話できないわたしには到底ムリな仕事だと思っていましたが、やってみると、そうではないことに気づきます。
すべての人に笑顔で接したり、言葉遣いに気を遣ったりすることには苦手意識があったので、自然に身につくまでには時間がかかりました。また、今までは作った料理を運んでもらう側だったのが、運ぶ側に変わったので「同じ職種内でも、意識がこんなにも違うものなのか」と戸惑ったものです。
しかしこの経験によって、レストランでは欠かせない料理人とホールスタッフ両方の目線に立てたことで、よりよい仕事ができることを実感しました。
互いに支え合っていく仕事について学び、実践していくことがとても楽しく、仕事自体も素直に楽しんで懸命に取り組むことができるようになったのです。
自分を必要としてもらえるようになった
新しい仕事にも慣れ、自ら考えて動くことができるようになると、職場内での評価も上がっていきました。新人の教育係を任せてもらったり、忙しい時間帯に出勤できるようにシフトや休憩時間を調整したりと、活躍の場が与えてもらえるまでになったのです。
このような環境に変わったことで、わたしは明確にこの仕事が自分に合っていると実感することができました。
やってみたら意外にも苦手意識によって遠ざけていたサービスの仕事が自分に合っていて、なおかつ、自分の強みを活かせる職種だったということにも気づきました。
苦手意識にとらわれずに挑戦することで、新しい可能性がひらけるのだと実感しました。
自分に合った仕事を選ぶためには、挑戦と失敗が必要
わたしは、料理人として一生を生きていくんだと思って社会人になりました。しかし挫折し、サービススタッフという、料理人の一歩となりで働く仕事に挑戦したことで新しい人生を手に入れることができました。
転職に必要だったのは、「転職して自分を変えるんだ」「今より自分に自信を持っていたい」という明確な気持ちだけです。社会からの評価や、他人の目を気にしてやりたくない・納得できない仕事を続けることは、精神衛生にとてもよくありません。
わたしは、人間は挑戦して失敗することで学び、自分にとって最適な場所を見つけることができる能力を持っていると考えています。失敗しないままでは、成長もありません。
もっと挑戦することに寛容になって、失敗しても許せる社会になれば働きやすい労働環境になるのではないかと思っていますが、今の社会では難しいのが現状です。
今の仕事に満足していないなら、転職してもいいのです。応援しています。
著者プロフィール
Carly
元フレンチ料理人ライターのcarlyです。10年の社会人生活で料理人→サービススタッフ→ライター と転職を重ねてきました。ブログ「Carlyぐらふ」を運営中。
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