- 2020-3-19
- 飲食業の転職
20歳で社会人デビューをしてから約15年、ほとんどの時間を普通のサラリーマンとして過ごしてきました。そんな普通のサラリーマン生活を送る中で唯一のストレス解消になったのは「食べること」。
美味い飯と美味い酒、楽しいお店の雰囲気、どれだけの時間を「飲食」に癒されてきたかわかりません。
そんな私が飲食業界への転職を志したのは、30歳の時。ストレスフルで働く生活が本気で嫌になり「人を幸せにできる仕事がしたい!」と思い立ち、30代未経験でバーテンダーへの転職を実現させました。
結果から言うと、全然うまく行かず、たった半年で身体が壊れて挫折しました。ただ、もし30代で今から飲食業界に転職しようとしている人がいるなら参考になればと思い、この記事を書いています。
普通のサラリーマンの体力ではついていけない
飲食業界はとにかく体力勝負です。「サラリーマンの時は12時間ぶっ通しで働いていたから、営業時間8時間なんて余裕」と思っている人がいるとしたら、完全なる間違いです。
当たり前ですがお店では立ちっぱなしです。忙しくなれば小走りになり、階段をかけ上がり、座敷では膝をつき、立ち上がり、その繰り返し運動が続きます。
これが本当になかなか辛く、飲食業界には腰や膝を痛めている人はごまんといます。「俺はジムで鍛えてるから大丈夫」という人も赤信号です。
全く使う筋肉が違いますし、一種の慣れのようなものがあります。むしろそういうタイプの人ほど、筋肉が重くて身体に負担がかかる為、早々に挫折します。
20代の転職と30代の転職には大きな差がある
上述したように、まず体力勝負という面でも30代未経験はかなり不利になります。20代の頃から飲食業界にいる人はその生活に慣れているせいもあって、年を重ねても続けられる傾向があります。
しかし業界ウン十年の人ですら身体はキツイと愚痴をこぼすものです。また、飲食業界は従業員の年齢層がどうしても若くなりがちです。
そんな環境に30代が入ってきたらどうでしょうか。言うまでもありませんね。
私の場合はバーテンダーという職業柄、従業員の年齢層は比較的高めでしたが、それでも20歳そこそこの子にアゴで使われていました(笑)
今、会社で管理職をしているあなたはその状況に耐えられるでしょうか。
気持ちだけでは乗り越えられない
飲食業界に転職したいと考えている人は、どういった理由で転職したいのでしょうか。30代未経験で一念発起するわけですから、「生活のため」という人は少ないかと思います。
おそらく何かしら夢を抱いて転職しようとしているはずです。
私は「人を幸せにしたい」という気持ちで飲食業界に足を踏み入れました。
しかし実際は、その夢を実現させるための体力が足りず、疲労困憊し、自分の事で精いっぱいになり、挙句の果ては病気になって辞めてしまいました。声を大にして言いたいのは「飲食業界は決して甘くない」ということです。
労働者である以上、それは業種職種問わず共通ですが、こと飲食業については見た目以上にひとつひとつの仕事がハードです。そしてお客様との対面業務ですから、ミスも許されません。
健康管理と体力維持が、仕事を続ける絶対の条件となるのです。
必ず入社前に経営者に会うべき理由
大手チェーン店では、入社前の面接で経営者に会うのは困難でしょうが、個人店~10店舗展開程度の規模であれば、必ず経営者に会っておくことをオススメします。こと飲食業界においては、経営者がワンマンであることが非常に多く、さらに結構ヤンチャな方が多いです。
私の場合は、毎晩経営者が飲み歩いて外で問題を起こしていました。そして、冗談のようですが、そんな経営者が相当数いるのが事実です。
「このお店で働きたい」「この人と一緒に働きたい」と思っても、お客さんとして外から見る姿と、従業員として中から見る姿では全く違います。経営者に会って少し話すだけでも、「なんとなく威圧的だ」「装飾品が派手すぎだろ」等、色んなことがわかりますよね。
転職した後に気持ちよく働くためにも、しっかり確認しておきましょう。
【最後に】それでも飲食業界は夢がある仕事だ
なんだか辛い部分ばかりを書いてしまいましたが、飲食業界で働けて幸せなことも沢山ありました。お客様から「ありがとう」と言われれば感動するし、そのお客様のために明日も頑張ろうと思えます。
仕事がキツイ分、仲間との絆も深くなります。また、飲食業界は「飲食」だけでなく、「サービス」を通じて人を幸せにできるとても素敵な仕事です。
現に私自身は、バーテンダーこそ体力がもたずに辞めてしまいましたが、飲食業界に携わることが諦めきれずに、その2年後に経営者としてまた飲食業界に戻りました。30代という年齢で、今から夢を追って転職しようとする人がいるなら全力で応援したいです。
とても厳しい業界ですが、楽しいことや幸せなことも沢山あります。是非、飲食業界の人のリアルな意見を沢山吸収して、頑張ってください。
著者プロフィール
mizuno kaori
転職経験2桁の35歳独身女です。食べること飲むことが本当に大好き。好きすぎて普通のOLなのに飲食業界へ転職してしまいました。
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